薬草として古くからヨーロッパ・北アフリカ・アジアで栽培されてきた。5000年前にはエジプトの医師に使用されており、またイギリスにあるローマ時代の廃墟からもその痕跡が見つかっている。また、中世には魔術を防ぐ効果があるとも考えられていた。シダ状の葉にはキャラウェイのような芳香があり、今日でも香草として、グラブラックス(塩漬けの鮭)、ボルシチなどのスープ、ピクルスなど、様々な料理に使用されている。ただし、イノンドの葉は乾燥するとすぐに香りが失われてしまうため、新鮮なうちに使用する必要がある。